もち米を水に浸す最適な時間は?
もち米をご購入いただいたお客様から、「餅をつく時にもち米を水に浸しますが、どのくらいの時間浸しておけばよいですか?」という質問を頂きました。
今回はこの質問について回答した内容をまとめます。
餅つきの手順
「餅つき」とはもち米から餅を作るまでの作業をまとめた言葉です。まずは餅つきをする際、もち米に対してどのような作業をするのかを簡単にまとめておきます。
- 研ぐ
- 水に浸す
- 蒸す
- こねる
- つく
このように、餅つきは大きく5つの工程に分かれています。今回いただいた質問は2つ目の工程である「水に浸す」について、「どのくらい浸しておけばよいのか?」ということになります。
少し調べてみると、水に浸す時間については8時間程度としている情報から24時間程度付けているという情報までと、様々な意見があるようです。質問を頂いたお客様も「知人から長ければ長いほうが良いと助言を受けた」と仰っていました。
ポイントは「水に浸す目的」
水に浸す時間について考える前に、まずは「なぜ水に浸すのか?」を考えてみたいと思います。
一般的なお米(うるち米)からご飯を炊くときに「米を水に浸す」という工程はほとんど意識しないと思います。もち米であっても、赤飯を炊くときに米を水に浸しておくことはしないと思います。ではなぜ、餅をつくときは水に浸さなければならないのでしょう。
それは米に芯が残らないようにするためです。
「炊く」ご飯と「蒸す」お餅
うるち米でご飯を炊く場合やもち米で赤飯を炊く場合、米を水に浸した状態で炊き上げます。この場合、炊き上げる中で米の内部まで水が浸透するので、炊きあがりは芯のないご飯が炊きあがります。
一方、餅をつく場合は米を蒸します。この場合、米が水に接している状態が少ないため、米の内部まで水が浸透できず、芯が残ってしまいます。これを防ぐため、事前に水に浸します。
つまり、餅をつく時にもち米を水に浸しておく目的は「芯が残らないように米の内部まで水を浸透させるため」になります。
目的達成のためには長時間浸水だが。。
この目的達成を考えた時、もち米は「なるべく長く水に浸しておいた方がよい」ということになります。「水に浸す時間は長ければ長い方が良い」という意見が出てくるのも、この目的達成を考えたら当然と言えば当然です。
しかし、長く浸しすぎることで発生する問題もあります。
衛生管理上の問題
まず考えられるのは衛生面の問題です。水を長時間放置していると、そこにゴミが入ったり細菌が繁殖したりするリスクが高まります。蓋をすることでゴミが入り込むリスクはほとんど防げますが、細菌繁殖に関しては目に見えないこともあり管理が難しいです。
もちが柔らかくなりすぎる
もう一つの問題点は、あまり浸ししすぎると餅が柔らかくなりすぎてしまうという点です。ここは好みにもよるところかもしれませんが、柔らかくなりすぎた餅は扱いにくくなります。
まとめ
餅をつく際の適切な浸水時間についてまとめました。
芯を残さないという目的を考えれば、浸しておく時間は長ければ長いほど良いということになりますが、一方で管理の問題や扱いにくさの問題が生じます。
たくさんの方が餅つきの方法を紹介されていますが、水に浸す時間は10時間程度と紹介されているのを多く見ます。また我が家でもこの程度の浸水時間です。つまり10時間程度で、水に浸す目的(芯を残さない)は満たせていることになりますので、これくらいの時間で十分と考えています。