ネット販売で起きた事故と、そこから学んだこと

ネット販売をしている中で事故が発生しました。今回は、とても辛かったこの事故の顛末と、教訓について記録しておこうと思います。

事故の内容

発生した事故は、いわゆる「配送ミス」です。A様とB様、2人のお客様がそれぞれ別の商品を購入されたのですが、A様へB様の商品、B様へA様の商品を配送してしまいました。

お客様からの問い合わせ

この事故が発生していることを知ったのはお客様からの問い合わせです。

「注文したものと違うものが送られてきているようです。」寝起きだったこともあり、お客様から届いたメッセージの意味を理解するのに少し時間がかかったことを覚えています。

どこで間違えたのか

急いでお客様の依頼内容と発送商品をまとめている管理台帳を確認しました。ここは間違いなく依頼内容に応じた商品発送となっています。商品梱包後から発送作業までの間、どのお客様宛の商品なのかが後で分かるように配送先を記載したメモを貼り付けているので、この間に間違えが発生することも考えにくいです。となると、間違えたポイントとしては以下のいずれかになりそうです。

  • 梱包時に商品を入れ違えた
    • 商品は1つ1つ手作業で梱包用段ボールに詰めていますので、この際に入れ間違えてしまった可能性があります。
  • 発送時に送り状伝票を貼り違えた
    • 宅配業者が提供する匿名配送サービスを利用しています。このため送り状伝票は宅配業者の専用端末の操作により発行して貼り付けますが、伝票の貼り付け作業を業者側で行います。この時、一時的に私たちで決めているルール(品物に誰宛の商品なのかを記載したメモを貼っておく)を把握していない人が配送先を決める作業を行うことになります。

対応に翻弄する1日

この時点では、間違えたところを追及しても仕方がありません。一番悲しい思いをしているのはお客様です。今回の場合、既にメッセージを頂いている方だけではなく、もう一人の方にも誤った商品が届いているはずです。このお二人への対応を急ぎする必要がありました。

状況確認と謝罪連絡

すぐにお客様に連絡を取り、状況の説明と謝罪。そして今後の対応方法について相談しました。直接お話ししたかったのですが、直接やり取りをする術がなく、全て文字ベースのやり取り。とてももどかしいやり取りが続きました。

同等商品の再配送対応

最終的に、本来送るべきだった品物を無償で配送する形で調整させていただくことになりました。状況確認、そして対応。イレギュラーな判断と作業が続きました。

悲しい事実

今回の事故では特に悲しい事態が発生しています。配送ミスをしてしまったお客様のお一人は、ご自身のためではなく、ご両親への贈り物として注文いただいていました。大切な方への贈り物として使っていただいたにもかかわらず、配送ミスにより不快な思いをさせてしまいました。お客様に辛い思いをさせてしまったことになります。

お客様から頂いた評価

注文を頂いたのは評価が付く通販サイトなのですが、最終的にお客様からは精一杯の事後対応をしていただけたと良評価を頂きました。ただ今回の失敗を忘れないように、今回のことを記事にしてまとめておこうと思いました。

再発防止策

記事の最初の方で記載した今回の事故原因の可能性である2つの作業について、その再発防止策を考えています。ただし、現時点では納得のいく対策は立てられていません。

  • 梱包時に商品を入れ違えた
    • ここについては私が奥出雲に帰ってから在庫管理方法、梱包時の作業内容の見直しをしようと考えています。
  • 発送時に送り状伝票を貼り違えた
    • 荷物への送り状伝票貼付を私たちがしても良いかと宅配業者にお願いしましたが、作業時のルールとして決まっているのでできないと回答をもらいました。では、なぜそのようなルールになっているのかを聞いてみたのですが、それは分からないということのようでした。とにかくルールなので守らなければならないということでした。こちらについては1つずつ荷物を渡し、確実に伝票を貼ってもらってから次の荷物作業をするといった形にしようと思います。

まとめ

今回の事故を通して3つのことを発見・再認識しました。

信用の損失

商品(サービス)提供の当事者の立場になり、ミスをしてしまったことに対する辛さがサラリーマンという立場の比ではないということを感じています。自分たちが作り上げてきた商品・サービスを信用し、それが信頼になり、ファンになってくださる。そんな方々が増えてきた状況の中で起きてしまった今回の事故。どちらかというと私たちが辛いというより、今回の件で辛い思いをさせてしまったお客様に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

事故対応コスト

起こしてしまった事故の対応に非常に多くの時間とコストがかかりました。特に、これまで築き上げてきた作業の流れとは全く異なるイレギュラーな状況の中で、たくさんの判断と作業をしなければいけません。こういった状況はサラリーマンでも起こることですが、改めて事故やミスに対する対応には多くのコストがかかるんだなと感じました。

「ルール」の価値

「守ること」だけが目的となったルールに価値はないと思います。ルールには、そのルールを設けることで防ぎたいミスや守りたい品質があるはずです。ルールを設けた理由があるはずです。その理由を忘れてルールだけが残っている状況だと、ただ単に人の行動を縛っているだけになってしまいます。最悪なケースでは、そのルールを設ける本来の目的である「ミスの防止機能」や「品質の保護機能」自体を傷つけてしまう場合があると思います。

これは今後、私がルールを作って他人に守ってもらうよう伝える場面で気を付けようと思ったという話であって、今回対応頂いた配送業者の方に指摘したいということではありません。その方は把握されているルールに従ってしっかり対応していただけましたし、恐らくその方も、上司からルールの理由について十分な説明を受けていないのだと思います。

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